種田山頭火
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改運開運★日常のつぶやき13
改運の旅、出発まであと 154日
子ども達が幼いころは、朝夕のNHKの教育テレビを見ていました
「にほんごであそぼ」という番組の最期に、今日の名文が読み上げられます
「まっすぐな道でさみしい」種田山頭火の俳句です
この句を耳にした時、私の目の前には情景が広がり、一度聞いただけでとりこになってしまいました
種田山頭火は、自由律俳句(技巧やルールに一切捉われない、季語を入れない句もある)を生み出した俳人で、
自分自身の生の気持ちを表現するなど、大正~昭和初期に活躍した俳人の一人です
人生、山あり谷あり、紆余曲折あってこその人生!
確かに平穏でなんの問題も苦労もない人生はさみしいよね~
この短い句によって広がる世界観が素晴らしく、深く感動しました
が・・・・・・・・私は、ずっと句の本来の意味を勘違いしていたのです
本当の句の意味は、種田山頭火の生い立ちなど、生き様を知って初めて理解出来るのですが、
意味としては、いたってシンプルです
「歩く事しかできない。この先も、ただただ歩いていくだけだ。どうしようもない私が歩いていくのだ。」
「道」は「人生」とは無関係だし、
「道がまっすぐである」ことと「さみしい」ことの間に因果関係はありません
種田山頭火にとって、道は曲がっていてもさみしかったのです
種田山頭火は旅から旅へ托鉢をしながら、もらったお布施で酒を買い、飲んだくれる破戒坊主でした
旅に出る前は、実家は破産・弟は自殺、山頭火に仕事はなく、妻とは離縁という不幸のオンパレード
自殺未遂をするも助けられて、俗世を捨てて修行したいと希望したけど、年齢的に寺から受け入れられず、
八方塞がりの山頭火は全てを捨てて旅に出たのです
世間体やら名声やら評価やら、そんなものをすべて捨て去ってただ意味もなく、旅に出ました
何かを追究したり、目的があって歩いたのではないのです
種田山頭火は、自分自身をとことん捨てて旅に出ました
しかし、旅の途中で自分が選んだ道(人生)への孤独さを感じさせる句を詠んでいます
山頭火が純粋に感じた孤独感が伝わってきます
勘違いが解って読んだ句も、奥深い感銘を受けました
★ 種田山頭火の他の句もご紹介します ★
・分け入っても分け入っても青い山
・今日の道のたんぽぽ咲いた
・夕立やお地蔵さんもわたしもずぶぬれ
・焼き捨てて日記の灰のこれだけか
・こころ疲れて山が海が美しすぎる
・笠にとんぼをとまらせてあるく
・ほろほろほろびゆくわたくしの秋
・鈴をふりふりお四国の土になるべく
・酔うてこほろぎと寝ていたよ
・どうしやうもないわたしが歩いてゐる
・まっすぐな道でさみしい
・うしろすがたのしぐれてゆくか
・こうまでよりすがる蠅をうとうとするか
・ついてくる犬よおまへも宿なしか
・生死のなか雪ふりしきる